研究活動

 PAK(RAC/CDC activated kinase)とは細胞の増殖、生死、運動などのコントロールに関与する蛋白キナーゼである。このPAKが異常に活性化されると一連の難病(がん、炎症、感染症、糖尿病、認知症など)が発生する。

 一方、PAKは正常細胞の増殖に必須ではない。したがって、選択的PAK阻害剤は副作用なしに難病がんを治療することが可能である。

 また、PAK遺伝子欠損の突然変異体は野生株より長生きする。PAKは主要な老化酵素であり、その遮断剤は健康長寿に寄与する。

 最近、ゲットウなど沖縄に特徴的な植物から強力なPAK阻害成分が見つかった。沖縄県民がかつて健康長寿世界一であり得たのは、沖縄にありふれた植物に含まれる成分が、PAKのみを阻害し副作用もなく健康長寿であり得た可能性も十分考えられる。

 食歴のある安全な植物中のPAK阻害剤から誘導される食べる化粧品は生活の質を向上させ、全ての病気に対する予防あるいは万能薬となり得る。

かつては琉球諸島の住民は長寿世界一であった。

その謎を解き、その秘密をできる限り日本全体、さらには世界中に還元することが研究の目的である。

 癌、炎症、種々の感染症、糖尿病、認知症などの難病が人類の健康を妨げ、寿命を縮めることは周知の事実である。これらの難病の共通の原因になっている遺伝子や酵素を突き止め、それを選択的に遮断することが出来れば、我々は「健康かつ長寿」を全うしうる可能性が十分ある。

 今世紀に入って飛躍的な進歩を遂げた難病や老化に関する分子医学のおかげで、癌を含めて広範な難病の主な原因になっている酵素が突き止められた。その酵素は「PAK」と呼ばれる一種のタンパク質リン酸化酵素(キナーゼ)である。種々の原因で、この酵素が異常に活性化されると、癌や糖尿病など一連の難病が発生する。

 さらにこのPAKの働きを抑えると、これらの病気が治るばかりでなく、線虫の寿命が5割ほど延長することが明らかにされた。

 最近、発がん・老化酵素であるPAKを抑え、癌や認知症などの多くの難病を予防・治療しうるハーブ類がいくつかの沖縄特産物から見つかった。ギンネム、ゲットウ、ゴーヤ、ウコン、沖縄プロポリスなどである。

 これらのハーブ類の有効成分から、抗がん剤などの医薬品や美白作用のある化粧品、健康長寿をもたらす食品を開発しうる可能性がある。

【多和田真吉 略歴】

ニューヨーク州立大学ストニイブルーク校科学科研究員、カリフォルニア大学バークレー校昆虫学科研究員を経て平成10年琉球大学農学部農芸化学科教授。

平成26年琉球大学を退官後は独自に研究を続けている。

​沖縄産PAK資源活用事業協同組合の理事研究顧問。産官学による沖縄発独自商品の開発を指導している。